2011年10月13日木曜日

音楽そっちのけ

・智代アフター~第2話~
書いている本人もビックリの続き物です。前回はこちら
みんな妄想乙だと思うだろ……これ、実話なんだぜ……
台詞回しはだいぶ修正していますけどね。あと、8月の話です。


昼休みに、いつも通り社員食堂のカレーを飲んで(!)、デスクで一寝入り
するかと、椅子のリクライニングを倒すとケータイに着信が。
「ナカムラか」
「お、智代か。」
「ああ、今日の夕方にお前の会社で会うことになっていたが
駅前のトドコールに変更できないか」
「別に構わないぞ」
「じゃあ5時40分にな」
「分かった」

もしかして電車乗り換えるの面倒だってことじゃないだろうな……。
まぁ、こちらの木金休みのせいで、智代を休日仕事にしてしまった
からなぁ。

一通り契約事項の説明を受け、智代は書類を作成している。
俺が手持ち無沙汰に抹茶オレを啜っていると、智代はふと顔を上げた。
「今日は突然、場所を変えてすまなかったな」
「こっちこそ土曜日に来てもらってすまないな」
「あぁ、それは構わない。この沿線に住んでいるし、会社に寄るより
近いから助かるくらいだ」
「そうだったのか。そういえば、場所を変えた理由は何故だったんだ」

外は夏の夕暮れ。今日は花火大会が開かれるため、浴衣姿のカップルが
手をつないで歩いていく姿が見える。
「お前の会社との契約では、平日の昼のみ立ち入りが許可されているんだ。
出勤日と言っても、土日だから、一応な。」
「なるほどね」

デートっぽい、このシチュエーションを楽しんでいるなんて事は、顔には出さず
俺は書類に判子を押していく。

「これでよし、と。さっきも説明したが、10月分は現金での支払いだから
給料を使い切らないで残しておくんだぞ」
「あぁ。多分大丈夫だ」
「確実に言い切らないのがお前らしいな」
呆れつつも微笑みながら、智代はそう言った。

「あー、ところでだな。今日は花火大会があるな。お前は誰かと行く予定は
あるのか」
「いや、行かないな。人ごみはあんま好きじゃないし」
「そ、そうなのか。私も今日は書類を持っているから、行けそうにないな
ハハハ」
何かを圧し折ったような気がしなくもないが、このシチュエーションに酔い
かけているだけだ。ボッチ生活も約30年になるんだから、勘違いしてはいけない。

・今週のプレイリスト
EVANESCENCE『EVANESCENCE』
MASTODON『THE HUNTER』

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